ストリートでも充分使えるレース用サスペンションキット
ストリートからサーキットまで走りを追求したというヴィッツ TRDバージョン。ワンメイクレース車両にも採用しているサスペンションや強化ブッシュなどのトータルチューニングが施されている。公道も走れるレースマシンか?はたまたサーキットも走れるストリートマシンなのか?
■ベースはもちろんRS
特にエアロパーツ等は装着されていない。インチアップされたホイールが目を引く程度で、きわめて外観は控えめだ。それだけに、このクルマのキャラクターを示しているようにも思える。それは、手元のスペックリストを見れば、さらに明らかになる。
例えば、エンジンにはタコ足エキゾーストにマフラー。駆動系では、軽量フライホイールに強化クラッチ。そして機械式のLSD。一方シャシー側は、ワンメークレース用のサスペンションキットに強化ブッシュで固めている。そしてインテリアに目を移せば、RECARO製のフルバケットシートを2脚装着している。この他にも、様々なパーツが装着され、まさに見た目よりも中身重視!といった内容になっている。
ちなみに装着するイールは、前後とも「TRD TF1」の17×7.0J+50。
タイヤは、「POTENZA RE050」で205/45R17だ。
■ストリートでの乗り心地も、意外と悪くない
以前、旧型ヴィッツのワンメークマシンを日常の足として一週間ほど使ったことがある。乗り心地は固く、まさにレースカーに乗っているという印象だった。特に、高速道路のように車速の高いところでは、目線が上下に揺さぶられ閉口した記憶がある。正直、四十才を超えた身にはきつい内容だった。
したがって、今回のヴィッツにもレース用サスペンションを装着しているということで、以前の苦い印象を引きずったまま乗り込んだ。
ドアを開け、RECAROのフルバケットに身を沈めれば、目の前にはTRD製の3連メーターが装着されている。ヴィッツはセンターメーターなので、本来この位置には何も無いが、これなら気分が盛り上がる。
走り出して、まず感じたのが意外にも乗り心地が良いこと。もちろん、バネレートもダンパー減衰力も高められているので固い部類には入る。しかし、以前のレース仕様とは異なり、走り好きなら充分許容レベルだと思われる。一方ワインディングでは、まさにこのクルマの本領発揮。キビキビとした走りを楽しむことができる。また、懸念されたフロントLSDの効き味もマイルドで、嫌味なトルクステアはあまり感じられない。
総じて、スポーティーな方向でまとめあげられたクルマだ。コンパクトカーのメリットを生かした走りを目指す方には、うってつけのスペックだろう。